経営に役立つコラム

Column

2025.05.26

会社役員・使用人兼務役員・みなし役員

会社役員・使用人兼務役員・みなし役員
会社組織における役員の位置づけは、単純に見えて実は複雑な仕組みになっています。
取締役や代表取締役の権限の違い、部長や課長を兼ねる使用人兼務役員の特殊な立場、そして税法上で独自に定義されるみなし役員まで、それぞれ異なる法的扱いを受けます。
特に労災保険や雇用保険の適用可否、給与の損金算入ルールなど、実務上重要な違いが存在するため、正しい理解が求められます。

会社の業務執行者である代表者

取締役は、株式会社を代表します。ただし、代表取締役を定めている場合には、代表取締役のみが会社を代表します。代表取締役には業務を執行する権限があり、また、会社の代表として、契約行為や裁判に関する行為をする権限があります。

役員で使用人は使用人兼務役員

会社法では、取締役(役員)と従業員は明確に区分されています。役員は、株主総会で選任され、会社に対する各種の責任をもちます。しかし、役員でありながら、部長、課長その他法人の使用人としての職務に従事する人もいます。このような人を「使用人兼務役員」といいます。部長、課長等ではなく、専務、常務等の呼称だったとしても、代表権・業務執行権のない者の場合は、呼称のみの名刺専務等といわれ、通達では、使用人兼務役員の対象から外れない、としています。

使用人兼務役員の労働者性要件

役員は株主総会で選ばれて委任契約を結び、雇用契約外の関係なので、本来は、労災保険と雇用保険の適用がありません。ただし、使用人兼務役員の場合は、①役員報酬が労働者としての賃金を上回っていないこと、②代表権・業務執行権を持っていないこと、③就業規則が適用されていること等の条件付きで労災保険・雇用保険の適用を受けられることになっています。

税法で規定するみなし役員

なお、法人税法上の役員はもう少し範囲が広く、会社法上の役員でないのに役員と同じく扱われる「みなし役員」という規定があります。使用人のうち次の①②③のすべてを満たす者などで、法人の経営に従事している者のことです。

①単独で50%超の株主グループ、若しくは第3順位までの持分合計が50%超となる株主グループに属している

②その使用人の所属株主グループの持分割合が10%超

③その使用人(配偶者&同族会社株主を含む)の持分割合が5%超

みなし役員への制約

みなし役員とされた者については次の取扱いを受けることになります。

①給与は定期同額給与に該当

②過大な給与は損金不算入

③事前確定届出以外の賞与は損金不算入

④労災保険・雇用保険の適用対象外が原則

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