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Column

2025.07.28

「教育訓練休暇給付金」が創設されます

「教育訓練休暇給付金」が創設されます
人手不足やスキルミスマッチの課題が続く中、雇用保険制度に「教育訓練休暇給付金」が新設されることとなりました。この制度は、働きながら学ぶ選択肢を支援することを目的としており、企業からの命令ではなく、従業員が自発的に訓練休暇を取る場合に、経済的な後押しを行う内容です。ただし、制度の導入にあたっては、企業側にもいくつかの対応が求められる点に注意が必要です。対象となる訓練の定義や、有給・無給の取り扱い、就業規則の整備など、実務面での準備が問われるためです。教育訓練給付金との違いや雇用保険との関連も含めて、制度の仕組みを実務面から整理しておくことが大切です。

雇用保険に「教育訓練休暇給付金」が創設

2025年10月から雇用保険に「教育訓練休暇給付金」が創設されます。
教育訓練休暇給付金とは、雇用保険の一般被保険者が離職することなく教育訓練に専念するため、自発的に休暇を取得した場合に、訓練・休暇期間中の生活費を保障するため、失業給付(基本手当)に相当する金額が支給される給付金です。

主な支給要件は、

①休暇開始前2年間に12か月以上の被保険者期間があること

②休暇開始前に5年以上雇用保険に加入していた期間があること

③業務命令によらず就業規則等に基づいて教育訓練を受けるために無給の休暇を取得していること

です。

なお、従来からある「教育訓練給付金」は、雇用保険の被保険者がハローワークの指定する教育訓練を受講した場合に、受講料などの一部が修了後に支給されるものです。

加入期間がリセットされるので注意!

教育訓練休暇給付金の金額は、失業給付の算定方法と同様に休暇開始前6か月間の賃金額をベースに算定されます。

給付日数は、雇用保険の加入期間によって異なり、5年以上10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上は150日となっており、自己都合退職による基本手当の失業給付に近いものです。

教育訓練給付金と大きく異なるのは、教育訓練休暇給付金を受けてしまうと、それまでの雇用保険の加入期間がリセットされてしまい、受給後に失業給付を受けるためには、新たに支給要件を満たすための加入期間が必要となることです。なお、育児介護給付金や教育訓練給付金の支給要件期間には影響しないとされています。

業務命令による訓練や有給休暇は対象外

教育訓練休暇給付金の支給要件に、「業務命令によらず就業規則等に基づいて無給の休暇を取得すること」とされています。

すなわち、業務命令による教育訓練ではなく社員が自発的に受講する教育訓練でなければならず、有給休暇を取得して受けた教育訓練も対象外となります。また、会社でもあらかじめ就業規則等に自発的な教育訓練休暇中の賃金は無給であることを規定しておくなどの準備も必要になります。

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