経営に役立つコラム

Column

2025.08.21

産業医による労働者の健康管理

産業医による労働者の健康管理
「従業員が50人を超えると産業医を選ばなければならない」と聞いたことはあるものの、実際にはどんなことをすればいいのか分からず、戸惑う経営者の方も多いのではないでしょうか。
労働安全衛生法によって定められている制度ではありますが、単に産業医を選任すれば終わりではありません。健康診断の結果を報告したり、長時間労働の情報を共有したりと、産業医が職務を果たすためには事業者側の協力が欠かせません。逆に言えば、そのサポートがあってこそ、産業医は従業員の健康を守る力を発揮できるのです。そして、この仕組みを理解することは、単なる法令遵守にとどまらず、従業員が安心して働ける環境づくりにもつながります。

労働者数50人以上事業場は産業医を選任

労働安全衛生法では労働者数50人以上の事業場では産業医を選任することが義務付けられています。産業医を選任した場合には、所轄労働基準監督署長に産業医の選任を報告することになっています。解任・辞任した際は遅滞なくその理由を衛生委員会等に報告しなければなりません。

産業医を選任したときは、遅滞なく電子申請により労働基準監督署に報告します。また、労働者が50人以上の事業場では定期健康診断を実施したときは、結果を電子申請で報告する必要がありますが、その際産業医の氏名を記載しなければなりません。

産業医の仕事と事業者で行うこと

産業医は衛生委員会に参画したり、職場巡視を行ったりと労働者の健康管理を行います。そのために事業者は次のようなことが必要になります。

①労働者の健康管理等のために必要な権限を産業医に付与します

・事業者または、総括安全管理者に対して意見を述べること

・労働者の健康管理等を実施するために必要な情報を労働者から収集すること

・労働者の健康を確保するための緊急の必要がある場合に労働者に対して必要な指示

②労働者の健康管理等のために必要な情報を産業医へ提供

・健康診断、長時間労働に対する面接指導、ストレスチェックによる面接指導実施後の措置

・時間外・休日労働が1月当り80時間を超えた労働者の氏名・当該労働者にかかる超えた時間に関する情報

・労働者の業務に関する情報で産業医が労働者の健康管理等を適切に行うために必要と認めるもの

③産業医からの報告を衛生委員会へ報告等

・産業医は労働者の健康確保の必要を認めるときは事業者に勧告し、事業者はその勧告を尊重しなければならない。

・勧告を受けたときは遅滞なく措置を講じ衛生委員会に報告する必要がある

・産業医の業務内容、健康相談の申し出、労働者の心身の状態に関する情報の取り扱い方法を労働者に周知する必要がある

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