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2025.09.25

省力化補助金第2回結果│採択傾向と活用のヒント

省力化補助金第2回結果│採択傾向と活用のヒント
省力化補助金の第2回結果が発表されました。採択件数は全国で700件を超え、製造業や建設業を中心に、多くの投資計画が採択されています。
注目すべきは、単なる省人化ではなく「効果を数値化し、業務全体を見直す視点」が高く評価された点です。採択事例からは、熟練技能の依存解消や労災リスク低減など、現場改善に直結する投資の方向性も見えてきます。今後の申請を検討する際に、役立つポイントがわかります。

制度の概要と目的

中小企業省力化投資補助事業は、人手不足が深刻化する中小企業が、IoT・ロボット・AIなどの先端技術を活用した省力化設備を導入する際の費用を支援する制度です。

目的は、単なる業務の置き換えではなく、生産性向上と付加価値創出を通じた持続的な賃上げを実現することにあります。補助率は最大50%、補助上限額は1,000万円で、業種を問わず中小企業基本法に基づく事業者が申請可能です。申請にはGビズIDプライムアカウントの取得が必須となります。

第2回公募の採択結果

令和7年8月8日に公表された第2回公募では、全国707件が採択されました。

業種別では製造業が58.4%と過半数を占め、建設業12.4%、卸売業6.8%が続きます。小売業やサービス業も幅広く採択され、宿泊業0.3%や農林水産業の事例も含まれます。都道府県別では大阪府9.5%、愛知県9.3%、東京都8.9%が上位で、地域的な集中も見られました。

申請額は「1,500~1,750万円未満」が最多(18.5%)、従業員規模は「21~30人」が最も多く(32.2%)、比較的規模の大きい中小企業が多く採択されています。

採択事例から見る投資の方向性

採択事例には、製造業での熟練技能依存から脱却する自動加工機やAI検査装置、建設業でのチルトローテーター付き重機による作業時間45%削減、卸売・小売業でのピッキングカートシステムによる年間5,000時間削減などがあります。宿泊業では自動チェックイン機でフロント業務を短縮し客単価向上、飲食業では搬送ロボット導入で労災リスクを減らしピーク時対応力を強化するなど、設備投資を通じた業務全体の改善が成果につながっています。

経営者へのメッセージ

今回の結果から見えるのは、採択のポイントが「導入効果の定量化」と「業務全体の改善設計」にあることです。単なる機械更新ではなく、生産工程全体を見直し、生産性・品質・安全性の向上を同時に狙う計画が高く評価されます。申請を検討する際は、導入後の効果を測定可能な形で提示することが不可欠です。

採択事例の傾向や地域別の動きを参考に、成長戦略と人手不足対策を融合させた計画を早期に準備することが、補助金活用の成否を分けるでしょう。

【参考】中小企業省力化投資補助事業 一般型公募(第2回) 採択結果について│独立行政法人 中小企業基盤整備機構
https://shoryokuka.smrj.go.jp/assets/pdf/grant_adoption_summary_ippan_02.pdf

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