経営に役立つコラム

Column

2025.01.14

令和7年度税制改正大綱~資産課税編~

令和7年度税制改正大綱~資産課税編~
令和7年度税制改正では、資産課税に関する大幅な変更が注目されています。結婚・子育て資金の贈与非課税期間延長や事業承継税制の条件緩和に加え、中小企業の設備投資を支援する固定資産税軽減措置が延長されました。
これらの改正は、事業者や資産所有者にとって負担軽減と将来の展望を広げる内容です。変更点を押さえ、適切な準備を進めていきましょう。

結婚・子育て資金の贈与非課税は2年延長

結婚・子育て資金の一括贈与非課税制度(直系尊属からの贈与について結婚資金は300万円まで、子育て資金は1,000万円までを非課税)は、「こども未来戦略」の集中取組期間(令和8年度まで)にあることを勘案し、2年間の延長となりました。

法人版事業承継は役員就任要件を見直し

事業承継における非上場株式等の贈与税の納税猶予制度の特例措置は、経営承継円滑化法による特例承継計画の認定を受けた非上場会社の株式等を先代経営者から贈与により取得した後継者の贈与税の納税を猶予し、贈与者の死亡等により猶予税額の納付を免除するものです。

特例措置の適用期限は、令和9年12月31日です。これまで後継者である受贈者には贈与日まで引き続き3年以上、当該法人の役員に就任していることが要件となっていましたが、令和6年12月31日で役員に就任していない場合でも、贈与の直前に役員に就任していれば適用できるようになります。令和7年1月1日以後の贈与から適用されます。

個人版事業承継は事業従事要件を見直し

事業承継における個人の事業用資産の贈与税の納税猶予制度の特例措置は、経営承継円滑化法による個人事業承継計画の認定を受けた後継者が宅地等、建物、その他減価償却資産の事業用資産を先代経営者から贈与により取得した場合、贈与税の納税を猶予し、後継者の死亡等により猶予税額の納付を免除するものです。

特例措置の適用期限は、令和10年12月31日です。これまで後継者である受贈者には贈与日まで引き続き3年以上、当該事業に従事していることが要件となっていましたが、法人版事業承継税制の改正と併せて、贈与の直前に事業に従事していれば適用できるようになります。令和7年1月1日以後の贈与から適用されます。

設備投資の固定資産税軽減は2年延長

中小企業等経営強化法に規定する先端設備等導入計画に基づき、中小事業者の生産性向上や賃上げに資する機械・装置等の設備投資について固定資産税の課税標準の特例措置を見直しのうえ2年延長します。

賃上げ方針を計画に位置付け、雇用者給与等支給額を1.5%以上引き上げる場合、最初の3年間は課税標準の2分の1が減免され、3%以上引き上げる場合、最初の5年間は課税標準の4分の3が減免されます。

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