2025.06.12
国際的な二重課税とその解決法
「海外で得た所得に税金がかかるのは当然。でも、どうして日本でも課税されるの?」 そんな疑問を感じたことはあ…
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Column
2025.08.07
令和7年3月期の上場会社の有価証券報告書を見ると、見慣れない勘定科目があります。
いすゞ自動車の貸借対照表の固定負債には、「長期未払法人税等」に237百万円、損益計算書の「法人税、住民税及び事業税」の下の「国際最低課税額に対する法人税等」に同じ237百万円が計上されています。注記には「『グローバル・ミニマム課税制度に係る法人税等の会計処理及び開示に関する取扱い』等を当事業年度の期首から適用しております。」と記載されています。
この「グローバル・ミニマム課税」とは、年間総収入金額が7.5億ユーロ以上の多国籍企業が対象として、一定の適用除外を除く所得について、各国ごとに最低税率15%以上の課税を確保する仕組みです。日本でも、国際的な合意に沿って、次の3つのルールを導入することとなりました。
① 所得合算ルール(IIR)
② 軽課税所得ルール(UTPR)
③ 国内ミニマム課税(QDMTT)
①は、令和6年4月以後に開始する対象会計年度から、②③は、令和8年4月以後に開始する対象会計年度から適用されます。
ごく簡単に言うと、海外子会社の税負担が国ごとに15%に足りない分を日本の親会社で課税しようというものです。「所得合算」という名称が紛らわしいのですが、実際には、海外子会社の所得を親会社に合算する訳ではなく、基準税額(15%)に満たない部分を課税標準としています。
(国別グループ純所得の金額-所得除外額)×(15%-国別実効税率)
90.7%(法人税と地方法人税を合わせると実質的に100%となる形です)
対象会計年度終了の日の翌日から1年3か月以内(この制度の申告書を初めて提出する場合には、1年6か月以内)
実際にはとても複雑な計算となりますが、例えば、軽課税国の子会社の税率が10%であれば、日本の課税当局は、日本の親会社に対して子会社の所得の5%(15%-10%)の法人税を上乗せするイメージになります。
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