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2025.04.15

外国株式配当金の外国税額控除

外国株式配当金の外国税額控除
海外企業の成長の果実を受け取れる外国株式の配当金。しかし、外国と日本、両方で税金がかかるのは避けたいところです。そんな時に知っておきたいのが「外国税額控除」という制度。この制度を利用すれば、外国で支払った税金の一部または全部が戻ってくる可能性があります。
この記事では、外国株式の配当金にかかる税金の仕組みから、外国税額控除の適用条件、控除額の計算方法、そして確定申告の手続きまでを丁寧に解説します。海外投資をより安心して行うために、ぜひ最後までお読みください。

個人の外国株式の配当金には外国の所得税が課されるほか、日本においても日本の所得税、住民税が課されます。同じ所得について二重課税となりますが、外国税額控除制度を利用して外国税額の全部又は一部を取り戻すことができます。

確定申告が必要となる場合

外国株式が日本の証券会社に預託される場合、外国の所得税と日本の所得税、住民税が源泉徴収されますが、外国の証券会社に預託される場合は、外国の所得税の源泉徴収しか行われません。このため、源泉徴収される給与所得や退職所得以外で所得金額20万円を超える居住者には確定申告が必要となり、配当所得を総合課税又は申告分離課税で申告します。

外国税額控除額の算出

外国税額控除は原則、その年に納付義務の確定する外国所得税に適用します。その年の所得税額のうち国外所得金額に対応する部分の金額を控除限度額とし、外国所得税額を所得税、復興特別所得税、道府県民税、市町村民税から順に控除します。

その年の外国所得税額が控除限度額以下となる場合は、余った控除限度額(控除余裕額)を翌年以降3年間繰り越して、それぞれの年の控除限度超過額に充当できます。また、その年に控除しきれなかった外国所得税額(控除限度超過額)は、翌年以降3年間繰り越してそれぞれの年の控除余裕額から控除できます。

所得税の外国税額控除限度額の算定式

所得税の外国税額控除限度額
=所得税額 × A/B
 A:その年分の調整国外所得金額
 B:その年分の所得総額

外国税額控除の確定申告

外国税額控除を受ける場合、確定申告書に「外国税額控除に関する明細書」と「外国所得税が課税されたことを証する書類」を添付します。「外国税額控除に関する明細書」は国税庁の書式に、所得の種類(株式の配当)、納付日(配当金の支払日)、課税標準額(配当金額、外貨と円換算額)、外国所得税額(源泉徴収税額、外貨と円換算額)等を記入します。外国証券会社の場合は年次報告書等から把握でき、配当日の為替相場(TTM)を乗じて円換算額を求めます。

なお、e-Taxで申告すると「外国所得税が課されたことを証する書類」は第三者作成書類として手元に保管することで申告書の添付を省略できます。

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